雪かき不要の家とは?無落雪屋根の構造や特徴を徹底解説

2022.12.23

この記事では、これから雪国に家を建てたいと考えている方や雪かきに苦労している方へ向けて以下の内容で解説します。

・雪かき不要の屋根の仕組みや構造

・無落雪屋根の種類やデメリット、メリット

一般的に雪国と言われる東北地方や北海道地方では、毎年たくさんの雪が降るため雪かきが欠かせません。しかし、降雪量が多過ぎたり、怪我や年齢によって雪かきが難しい場合は生活に苦労します。以下で雪かき不要の屋根について詳細に解説しますので、雪国に家を建てたい方や雪かきに苦労している方は、ぜひ最後までご覧ください。

雪かき不要の無落雪屋根の概要と構造

はじめに、雪かき不要の無落雪屋根について解説します。
無落雪屋根の仕組みや構造はどのようになっているのでしょうか?

無落雪屋根とは

無落雪屋根とは、雪かきをしなくても屋根に積もる雪を下ろせる屋根です。これまでの除雪作業は、屋根に登って雪を下ろしていたことで転落・落雪による事故などの危険が高く、除雪作業には苦心が尽きませんでした。しかし、無落雪屋根は雪を地面に落とすことなく除雪ができるため、屋根から転落する危険も落雪による被害への危険がありません。さらに、除雪作業による体への負担もないため、降雪量の多い地域では重宝されています。

無落雪屋根の仕組みと構造

無落雪屋根は、屋根に積もった雪を溶かして排水するというシンプルな仕組みです。屋根には電熱線が敷いてあるため、太陽光電池やヒーターで雪を溶かすことが可能です。溶けた雪水は、ダクトなどの排水設備や傾斜を伝って排出される構造です。このように、無落雪屋根は積雪量が多いほど利便性を発揮できることから、屋根自体の傾斜は緩くなっています。傾斜が緩いことで落雪の危険も少ないため、降雪が多くても安心ですね。

また、無落雪屋根にすることで除雪作業にかかる時間と労力を大幅に減らせるため、家事がはかどる・子どもと遊ぶ時間を作れるという魅力があります。

無落雪屋根の種類と特徴

次に、無落雪屋根の種類と特徴について解説します。
それぞれの屋根にどのような工夫があるのか、順にみていきましょう。

M型屋根

M型屋根は、無落雪屋根の主流の形です。一般的な屋根には山型が多く見られますが、M型屋根は谷型の形状です。屋根の中心が英字のMのように凹んでいることから「M型屋根」と呼ばれています。

M型屋根の構造は、太陽光やヒーターで温められて溶けた雪が、谷になっている屋根の中心部にあるスノーダクトへ流れて排出される仕組みです。スノーダクトは屋根の中心部にあるため、詰まりやすいという懸念点があります。そのため、冬季シーズン前後にメンテナンスを行いましょう。

フラット屋根

フラット屋根は、落雪を防ぐのに最適な屋根で、緩やかな傾斜はあるもののほとんど平らな形です。M型屋根と異なる点は、少し傾斜のついた山型であること・スノーダクトがないことです。そのため、雪水は傾斜によって屋根から地面に落ちて排出されます。

フラット屋根の懸念点としては構造上つららができやすいほか、傾斜が緩やかで水が溜まりやすいため防水・錆び対策も重要です。しかし、フラット屋根はM型屋根に比べてメンテナンス頻度が少ない点や軒先への落雪がない点が魅力です。

スノーストッパー屋根

スノーストッパー屋根は、スノーストッパーという雪をせき止めるストッパーがついた屋根です。屋根先についているスノーストッパーに、溜まった雪が徐々に溶けて屋根の傾斜から地面に落ちます。

スノーストッパー屋根は、通常の屋根でも構造を変えずに無落雪屋根にできる点が魅力です。しかし、雪が積もりすぎると屋根から張り出してしまうため、適度に雪下ろしが必要です。積雪可能量は多くないものの、屋根の形状を変えたくない方・気軽に無落雪屋根に変えたい方に最適です。

無落雪屋根のデメリット

無落雪屋根のデメリットには、以下のような点があります。

・屋根や建物に負担がかかる

・雨漏りのリスクがある

・定期的にメンテナンスを行う必要がある

・費用がかかる

無落雪屋根は、落雪を防ぐために積雪が多くなるため、建物が重さに耐えられず歪むリスクがあります。屋根を支える柱や壁が歪んだり無落雪屋根の建て付けが悪いと、扉の開閉がスムーズに行えなくなることや、場合によっては屋根が陥没する恐れも出てきます。そのため、信頼のおける施工業者を選ぶことも大切です。

また、屋根に溜まる雪水は雨漏りや錆びの原因になります。塗装のスノーダクトが詰まって排水を妨げていないかなど、メンテナンスは適度に行うと良いでしょう。

無落雪屋根のメリット

無落雪屋根は、雪国で生活するうえで欠かせないメリットがたくさんあります。具体的には以下の通りです。

・除雪作業や雪下ろしの負担が減る

・土地を有効活用できる

・事故の危険性が少ない

・省エネルギー

除雪作業や雪下ろしにかかる時間・労力が減ることで、体への負担が軽減できます。さらに、高所での作業は滑落事故の危険と隣り合わせなうえ、落雪による事故のリスクもあります。無落雪屋根は、このような危険を回避できるので、家族も安心して生活できますね。

また、落雪のために場所を開ける必要がないため土地を有効活用できます。駐車場に雪が落ちて車が使えない・玄関が塞がれてしまい家から出られないなど、トラブル回避の対策になりますね。

まとめ

無落雪屋根は、雪が自然に処理されるような仕組みになっているため、除雪作業や雪下ろしが必要ありません。さらに、滑落・落雪による事故を防げることや、時間と労力を割く必要がないところが魅力です。これから雪国に家を建てる人や雪かきに苦労している方は、ぜひ無落雪屋根の設置を検討してみてくださいね。

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