はじめに
新築住宅を建てる際、動線や収納力、使い勝手などを考えると、パントリーの設置は欠かせない重要な要素となります。パントリーは、キッチンや玄関に近接した場所に設け、料理の効率化や買い物後の家事動線を円滑にするのが一般的です。単に収納スペースを確保するだけでなく、様々な視点から検討を重ね、上手にレイアウトすることで、より快適で合理的な住空間を実現できます。今回は、パントリーの種類や間取りのポイント、設計時の注意点など、新築時のパントリー計画について詳しく解説します。
パントリーの種類と特徴

パントリーには大きく分けて3種類のタイプがあり、それぞれ特徴が異なります。まずは各タイプの概要と長所・短所を確認しましょう。
壁付けタイプ
壁付けタイプのパントリーは、キッチンの壁面に設置された収納スペースです。収納量は控えめですが、キッチンとの一体感があり、動線の確保がしやすいというメリットがあります。一方で、奥行きに制限があるため、大型の家電などの収納が難しい点がデメリットとなります。
壁付けタイプは1畳未満の小型のパントリーが一般的で、スペースに余裕がない場合に適しています。壁の高さまで収納棚を設けることで、見た目すっきりの上に収納力もアップします。キッチンの動線上に設置すれば、調理中の行き来がスムーズになるでしょう。
ウォークインタイプ
ウォークインタイプは、中に入ってストックの出し入れや整理ができる、まさに”クローゼット”のようなパントリーです。2畳以上の広さがあれば、大容量の収納が可能で、キッチンの余分な物を全て隠せるのが大きな魅力です。
一方で、動線の確保が難しく、扉を開けたままにすると通路を塞いでしまう可能性があります。また、適切な換気と照明の設置が必須で、湿気対策にも気を付ける必要があります。ウォークインタイプは2LDKなどの広めの間取りで設置しやすく、家族が多い場合に収納力の高さが活きてくるでしょう。
ウォークスルータイプ
ウォークスルータイプは、通路の両側にパントリーの収納スペースを設けた間取りです。玄関からキッチンへの家事動線を確保しつつ、大量の収納が可能というメリットがあります。食品ストックや掃除道具など、よく行き来する物の収納に適しています。
ただし、ある程度の広さが必要不可欠で、狭い場合は通路幅が十分に確保できず、使い勝手が悪くなってしまいます。また、パントリー内に冷蔵庫や家電を設置する場合は、配線や排気経路の計画が必要になります。動線の良さと収納力を両立したい場合は、ウォークスルータイプがおすすめです。
パントリーの間取り設計のポイント

次に、パントリーの間取りを設計する上でのポイントを確認していきましょう。収納量、家事動線、照明やコンセントの配置など、細かい点にも気を配る必要があります。
収納量と配置を検討
まずは収納したい物の種類と量を洗い出し、必要な広さを算出しましょう。食品ストックや日用品、キッチン家電、掃除道具など、あらゆる収納物をリストアップし、それぞれの収納場所を決めていきます。使用頻度の高い物は手の届きやすい場所に、重い物は低い位置に配置するなど、使い勝手を考慮することが大切です。
特に大型の家電は専用の収納スペースが必要なので、早めに設置場所を決めましょう。冷蔵庫やオーブンレンジなどは熱がこもらないよう、適切な換気経路の確保が不可欠です。また、可動棚や引き出し収納を活用すれば、限られたスペースでも無駄なく収納できます。
家事動線を確保
パントリーの間取りを決める上で最も重要なのが、家事動線の確保です。キッチンや玄関、ランドリースペースなどとの行き来がスムーズになるよう、パントリーの位置と出入り口を工夫しましょう。
例えば、玄関からパントリー、パントリーからキッチンへと一直線の動線にすれば、買い物後の家事がラクになります。また、パントリーと洗濯機の間が近ければ、洗剤を使用する時も手間がかかりません。このように、動線を意識した間取り設計が、家事の効率化につながるのです。
照明とコンセントの設置
使い勝手の良いパントリーを実現するには、照明とコンセントの設置場所も重要なポイントです。単に明るさを確保するだけでなく、無駄な影を作らない配置を心がけましょう。センサー付きのLEDライトなら、手元が明るく照らされ、節電効果も期待できます。
コンセントに関しても、家電の設置予定場所に合わせて、適切な個数と位置を決めることが大切です。パントリー内で作業をする予定があれば、カウンター下にコンセントを用意するのがよいでしょう。まとまった数のコンセントがあると、使い勝手が格段に良くなります。
パントリー面積の目安

では次に、新築時のパントリーにおける適切な面積について見ていきましょう。広さによって収納力は大きく変わってくるため、ご家族の人数や生活スタイルに合わせて、検討する必要があります。
広さの目安
まずは一般的なパントリーの広さの目安を確認しましょう。
タイプ | 面積の目安 |
---|---|
壁付けタイプ | 0.5畳程度 |
ウォークインタイプ | 2畳以上 |
ウォークスルータイプ | 1.5畳以上 |
壁付けタイプは0.5畳程度、ウォークインタイプは2畳以上、ウォークスルータイプは1.5畳以上が一般的な広さとなっています。ただし、これはあくまで目安の数値で、ご家族の人数や収納物の量によって適切な面積は変わってきます。
家族の人数別広さの目安
次に、ご家族の人数別のパントリーの広さの目安を見ていきましょう。
- 2人世帯の場合: 1畳程度
- 3~4人世帯の場合: 1.5畳程度
- 5人以上の世帯の場合: 2畳以上
収納量が多くなる人数の多い世帯ほど、広めのパントリー面積が適しています。ただし、生活スタイルにもよるので、収納したい物のリストを作成し、その量から目安面積を算出するのが確実な方法だと言えます。
間取り事例と動線のポイント

ここまでパントリーの種類や設計のポイントを見てきましたが、次に具体的な間取り事例と動線上の注意点について解説します。
事例1: ウォークインタイプの間取り
まずは2LDKの間取りで、キッチン横にウォークインタイプのパントリーを設けた事例を見てみましょう。

この間取りでは、キッチンとパントリーが隣接しているため、調理中の行き来が非常にスムーズです。また、広さがあるため、大容量の収納が可能で、レンジなども収納できます。
事例2: 壁付けタイプの間取り
次に、キッチン背面に壁付けタイプのパントリーを設置した事例です。

この事例のポイントは、キッチンとパントリーが近接していて、動線がスムーズな点にあります。パントリーはキッチンの延長上に設置されているので、料理の効率が良くなっています。
動線のポイント
パントリーの間取りを決める上で最も重要なのは、やはり動線の確保です。キッチンのすぐ横や背面にパントリーを設けることで、家事効率は格段にアップします。玄関からパントリー、パントリーからキッチンへといった動線の流れを意識するのがポイントです。
また、洗濯機やゴミ箱の位置との関係も重要で、洗剤を使用する時やゴミ袋が必要な時の行き来がスムーズになるように配慮しましょう。家事動線が良ければ良いほど、効率的で快適な生活が送れるはずです。
まとめ
以上、新築時のパントリーの設置と間取りについて、様々な観点から解説してきました。パントリーは単なる収納スペースではなく、家事動線の効率化や生活の質の向上に大きく貢献します。ご家族のライフスタイルに合わせて最適な広さとタイプを選び、照明やコンセント、動線の確保など細かい点にも気を配ることが重要です。
近年では、ウォークスルータイプのパントリーが人気を集めており、玄関からキッチンへスムーズにアクセスできる点が高く評価されています。ただし、プライバシーへの配慮は不可欠で、来客時などに見えないようにする工夫が必要です。
新築住宅を建てる際は、収納量や家事動線といった実用面だけでなく、デザイン面の検討も欠かせません。経験豊富な工務店に相談しながら、暮らしに最適なパントリーの間取りを実現しましょう。
ユニテハウス仙台では、お客様のご状況や予算に合わせた理想のマイホームを提案いたします。 「まずは話だけでも聞いてみたい」という方でも気軽にお問い合わせ・資料請求ください。
▷まずはユニテハウスの建売をみてみませんか?(定期的にイベント開催中!)
▷ユニテハウスの施工事例が見たい方はこちら(https://unitehouse.jp/voice/)
▷お問い合わせ・資料請求はこちら(https://sendai.createlemon.jp/contact/)