はじめに
洗面所は、単に手や顔を洗う空間ではありません。毎日の生活の中で欠かせない空間であり、家族のくつろぎの場ともなります。そのため、新築時の洗面所の設計は、機能性と利便性はもちろん、デザイン性やプライバシーにも十分配慮する必要があります。今回は、新築時の洗面所設計における重要なポイントを、様々な角度から詳しくご紹介します。
動線と間取りを考える

洗面所の快適性を左右する大きな要素の一つが、「動線」と「間取り」です。使い勝手のよい洗面所を実現するためには、まず家族の生活スタイルを見据えた上で、適切な動線計画と間取りを立てることが重要です。
生活動線と家事動線
洗面所の位置は、「生活動線」と「家事動線」の両方を意識して決める必要があります。生活動線とは、寝室から玄関までの日常的な移動ルートのことです。一方の家事動線は、洗濯物の搬出入や掃除など、家事に関わる動線を指します。洗面所がこれらの動線の中で最適な位置にあれば、動きの無駄がなくなり、家事の効率化が図れます。
例えば、玄関近くに洗面所を設けることで、外出時の手洗いや帰宅時の洗顔がスムーズになります。また、ランドリースペースと洗面所を併設すれば、洗濯動線が短くなり家事がラクになるでしょう。このように、動線を意識した間取りにすることで、洗面所の使い勝手が格段に良くなります。
洗面所の独立化
最近では、洗面所と脱衣所を分けた「独立洗面所」が人気です。独立洗面所には以下のようなメリットがあります。
- 入浴時のプライバシーが確保できる
- 来客時に洗面所の生活感が見えにくい
- 洗面所と脱衣所がそれぞれスッキリと使える
一方で、面積の増加やコストアップ、給排水ルートの複雑化といったデメリットもあります。家族構成や生活スタイルに合わせて、メリット・デメリットを十分検討する必要があります。
セカンド洗面所の設置
朝の混雑を避けたり、玄関での手洗いを促進するために、玄関やホール付近にセカンド洗面所を設ける事例も増えています。セカンド洗面所があれば、メイン洗面所の混雑緩和や衛生面での配慮ができ、家族の生活スタイルに合わせた使い分けができます。
設置場所やサイズ、デザインなどはライフスタイルに合わせて検討しましょう。使用シーンを具体的にイメージし、メイン洗面所との役割分担を明確にすることが重要です。
収納計画を立てる

快適な洗面所を実現するうえで、もう一つの重要なポイントが収納計画です。十分な収納スペースがないと、洗面所が散らかった状態になりがちです。新築時から、家族の人数やライフスタイルに合わせた収納計画を立てましょう。
収納スペースの確保
洗面所の収納スペースとしては、以下のようなものがあります。
- 洗面台下の引き出し収納
- ミラー裏の収納スペース
- 壁面の収納棚
- クローゼット収納
これらの収納スペースを効果的に組み合わせることで、タオルや化粧品、歯ブラシなど、様々な洗面用具をすっきりと収納できます。デッドスペースも有効活用して、無駄なく収納スペースを確保しましょう。
大家族の場合は、特に収納スペースの確保が重要です。ミラー収納やクローゼットの設置、洗濯物の収納場所の確保など、収納プランを細かく検討する必要があります。
収納の使い分け
収納スペースを効率的に使うには、収納物の種類に応じた使い分けが大切です。例えば、以下のように収納を分けるとよいでしょう。
収納場所 | 収納物の例 |
---|---|
洗面台下の引き出し | 化粧品、ヘアアイロン、デンタルケア用品 |
ミラー裏の収納 | タオル、洗面用具 |
壁面の収納棚 | 洗剤、掃除用具 |
クローゼット | 洗濯物、掃除機 |
このように、用途に合わせて収納場所を分けることで、モノの出し入れがスムーズになり、すっきりとした洗面所を保つことができます。
デザインにこだわる

使い勝手が良くても、デザインが雑然としていては洗面所の印象が台無しになってしまいます。機能性とデザイン性の両立は、新築の洗面所設計における大きな課題です。適切なデザインを取り入れることで、洗面所はより居心地の良い空間に生まれ変わります。
洗面ボウルの選び方
洗面ボウルは、洗面所の中心的な存在です。ボウルのデザインを間違えると、洗面所全体の雰囲気を損ねてしまう可能性があります。以下のポイントに注目して、ご家族に合ったボウルを選びましょう。
- 形状 (アンダーカウンター型、カウンター型など)
- サイズ (家族人数に応じた大きさ)
- 素材 (人工大理石、陶器、ステンレスなど)
- カラー (モノトーンのシックなデザインや、アクセントカラーの取り入れ)
洗面ボウルに合わせて、蛇口のデザインにもこだわるのがおすすめです。センサー式の水栓や、おしゃれなデザイン水栓を取り入れると、より洗練された印象の洗面台に仕上がります。
床・壁の素材選び
洗面所は水回りの空間であり、湿気対策が必要不可欠です。そのため、床と壁の素材選びには特に気を付ける必要があります。おしゃれな質感を持ちながら、防水・防カビ機能に優れた素材を選びましょう。
床材としては、クッション性と防水性に優れたフロアタイルがおすすめです。濡れても滑りにくく、清掃もしやすい上に、多彩なデザインがあるのが魅力です。壁材は、汚れに強い無垢壁や、タイル張りなどがよいでしょう。木目調の壁材を使えば、落ち着いた印象の洗面所になります。
照明のレイアウト
照明は、洗面所の機能性とデザイン性の両立を左右する重要な要素です。天井照明だけでは光が足りない場合がありますので、壁付け照明との組み合わせが有効です。また、温かみのあるダウンライトを取り入れたり、足元灯を設置したりすることで、落ち着いた雰囲気を演出できます。
照明のレイアウトを工夫することで、洗面台での身支度がしやすくなり、鏡に良い光が当たるようになります。さらに、照明のデザインにもこだわることで、洗面所全体の印象がグッと上がるはずです。
素材と設備の選び方

洗面所は水まわりの設備が集中する空間です。そのため、素材と設備の選定には、特に配慮が必要となります。防水性や耐久性に優れた素材を選び、カビ対策や換気にも気を配れば、清潔な洗面所を長く保つことができます。
湿気対策に優れた素材
洗面所は湿気が多い場所ですので、素材の選定には注意が必要です。木材を使う場合は、耐水性や防カビ性の高い材質を選びましょう。無垢の木材は、耐水性に劣るため、木目調の合板や人工木材などがおすすめです。
洗面台の素材としては、人工大理石やステンレスなどが湿気に強く、清掃もしやすいでしょう。壁や床の素材はタイル張りやクロスがよく、拭き取りが楽になります。また、家具や収納の素材も、湿気に強い樹脂製品などがおすすめです。
カビ対策と換気
洗面所をきれいに保つには、カビ対策と換気も欠かせません。まずカビの発生を防ぐには、壁や床の目地をきれいに施工することが大切です。また、換気扇や窓の設置で、湿気の適切な排出を心がけましょう。
カビが発生してしまった場合は、早めに専用のカビ取り剤で落とすことが重要です。長く放置すると、カビの菌が室内に広がる恐れがあります。カビが付着した場所の素材を変えるなど、徹底的な対策が求められます。
ユニバーサルデザインの採用
最新の洗面所の設備では、ユニバーサルデザインが注目されています。高齢者や障がい者にも使いやすい設計を心がけることで、将来のライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるのがメリットです。
具体的には、洗面台の高さを調節できるシステムや、手すりの設置、車いす対応の動線の確保などが挙げられます。段差のない床面や、可動式の棚なども、利便性を高めるポイントとなります。これらの設備を採り入れることで、年齢や体力に関わらず、快適に洗面所を使うことができるようになります。
リフォームでも洗面所を快適に

新築だけでなく、リフォームの際にも洗面所のデザイン性と機能性を高めることは可能です。設備やインテリアの一部を変更するだけで、大きな違いが生まれることがあります。
設備のアップデート
まずは洗面所の設備のアップデートから検討しましょう。古くなった洗面台や蛇口を新しいものに変えるだけで、見た目の印象が大きく変わります。また、水漏れや汚れが気になる場合は、ユニットバスなど一体型の設備に変更するのも一案です。
汚れがたまりやすい床や壁の素材を変更することも効果的です。タイル張りにするなど、お手入れのしやすい素材に変えれば、清潔さが保ちやすくなります。さらに、カビ対策としてユニットバスを導入したり、換気設備を強化したりするのも有効な手段です。
インテリアのアレンジ
設備の変更が難しい場合は、インテリアのアレンジから試してみましょう。まずは照明のデザインを変えるのが手軽です。壁付けのブラケットライトを取り付けたり、間接照明を設置したりすることで、高級感のある雰囲気に生まれ変わります。
鏡の枠や棚の素材を変えるのも、洗面所の印象を一新する良い方法です。木製のアクセントを取り入れたり、モダンなデザインの収納棚を設置したりすると、おしゃれな空間に早変わりします。また、小物のインテリアでアクセントを付けることも忘れずにしましょう。
まとめ
新築や リフォームの際の洗面所作りは、機能性とデザイン性を両立させることが肝心です。適切な動線の確保と収納計画、デザインへのこだわり、そして湿気対策やカビ対策など、様々な点に注意を払う必要があります。家族の人数やライフスタイルをしっかり考慮し、使い勝手の良さとおしゃれさを兼ね備えた洗面所を目指しましょう。
今回ご紹介したポイントを参考に、理想の洗面所作りを実現してくださ い。きっと心地よい時間が過ごせる、居住快適空間が完成するはずです。
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